粉飾決算と不正経理の話

実は私、粉飾決算のエキスパートなんです

粉飾決算のことについて語りだすと、きりがありません。 粉飾決算を簡単に定義すると「会社の経営陣が、故意に真実と異なる決算書を公表すること」ということになると思いますが、実はこの『故意に』というのと『真実と異なる』というのが厄介なのです。また決算書を『公表』しなければ、そもそも意味がありません。 書店に行けば「粉飾決算の見抜き方」といった本が並んでいますが『見抜く』という言葉もあいまいです。
会計監査の現場と犯罪捜査の現場の双方で粉飾決算と対峙してきた私からすれば『見抜く』というのは、証拠に基づき決算書の提出者を問いただし「おみそれしました」といわせるレベルの話だと思いますし、多分本を買われる方も『見抜く』というタイトルにそういったものを期待しているのです。その点ではああいった本を買っても期待はずれではないかと思います。なぜそのレベルまでキチンと粉飾を『見抜く』必要があるかといえば、そこまで見抜かないと、具体的なアクションをとることができないからです。

あまり書くと他の会計士さんの営業妨害になりますが、会計上の「粉飾めいたもの」と犯罪としての粉飾決算との間にはいろいろ微妙なケースがあり、一概には語りえないのです。  私もこの機会に『故意に』、『真実と異なる』、『公表』、『見抜く』という4つのキーワードを軸に、自分の持っている粉飾決算についての知識と経験を整理し、順次このページにUPしていきたいと思いますので、興味のある方はひとまわりしていって下さい。

不正経理と人間模様:「財務捜査官」という大げさな名前で10年間仕事をしていましたが、実際のところその半分くらいは、使い込みや詐欺のような、いわゆる「不正経理」の捜査に従事していました。「粉飾決算」の捜査のようにかっこよくはないのですが、記憶に残る事件はいろいろあります。これからこのページにそんな話を順次UPしていきます。

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